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戸建購入で成功する人は、何を見て意思決定しているのか ― 「前面道路あり」だけでは分からない、位置指定道路の見方 ―

コラム

戸建や土地を探していると、物件概要に、「前面道路:位置指定道路」と記載されていることがあります。

道路に面しているので、「家も建っているし、特に問題はないだろう」と思われる方も少なくありません。

もちろん、位置指定道路だから問題があるということではありません。
住宅地では、位置指定道路に接した戸建も数多く存在します。

しかし、戸建購入で成功する人には、共通する考え方があります。

それは、「道路があるか」ではなく、「その道路を将来にわたってどのように利用できるのか」まで確認して意思決定していることです。

▪️成功する人は、「道路の見た目」より「法的な位置付け」を見る

現地へ行けば、道路があることは一目で分かります。

舗装されている。車も通っている。周囲にも住宅が建っている。

しかし、不動産購入では、「道路に見えること」と「法律上どのような道路なのか」は分けて考える必要があります。

位置指定道路とは、一般に、土地を建築物の敷地として利用するためにつくられ、特定行政庁から建築基準法上の道路として位置の指定を受けた道路です。

そのため、まず確認したいのは、本当に位置指定道路として指定されているのか。
指定された範囲はどこまでなのか。自分が購入する敷地は必要な接道条件を満たしているのか。ということです。

成功する人は、「位置指定道路と書いてあるから大丈夫」で終わらせず、行政資料まで確認して道路の法的な状態を把握しています。

▪️成功する人は、「公道か私道か」だけで判断しない

位置指定道路には、民間が所有する私道も多くあります。

ここで、「私道だから危険」「公道なら安心」と単純に考えるのも適切ではありません。

重要なのは、所有関係と利用関係です。

例えば、道路部分を誰が所有しているのか。
自分にも私道持分があるのか。
共有者は何人いるのか。
道路の維持管理費は誰が負担しているのか。
通行についてどのような権利関係になっているのか。

こうした情報を確認する必要があります。

成功する人は、道路の種類だけを見るのではありません。

「この道路を利用する権利と負担は、どのような仕組みになっているのか」まで確認しています。

▪️「通れること」と「工事できること」は同じではない

私道で特に確認したいのが、上下水道やガスなどのインフラ工事です。

現在問題なく生活できていても、将来、水道管を更新する。
排水設備を改修する。ガス管を引き直す。
建替えに伴って工事車両が入る。
といったことが起こる可能性があります。

その際、私道部分の掘削や利用について、所有者との権利関係や必要な手続きが問題になることがあります。

だからこそ、通行についてどのような取り決めがあるのか。
掘削について既存の承諾書や合意書があるのか。
インフラ管はどこを通っているのか。
将来の更新時にどのような手続きが必要なのか。
といった点を確認しておくことが重要です。

成功する人は、「今使えているか」ではなく、「将来必要になったときにも使える状態か」という時間軸で道路を見ています。

「道路がある」と「道路を使える」の違い

▪️成功する人は、「現在の建物」より「将来の選択肢」を見る

中古戸建では、「すでに家が建っているのだから大丈夫」と思いがちです。

しかし、住宅は何十年と保有する資産です。

将来、建て替える。
増改築する。
売却する。
相続する。
という可能性があります。

そのため購入時には、建築基準法上の道路としての扱い。
接道状況。
私道持分。
道路境界。
インフラの状況。
などを確認しておく必要があります。

成功する人は、「今住めるか」だけではなく、「将来も選択肢を残せる不動産か」という視点で意思決定しています。

▪️「相場より安い」なら、価格差の理由を探す

例えば、周辺相場より少し安い戸建があったとします。

立地も悪くない。
建物もきれい。
間取りも希望どおり。
それでも価格が安いのであれば、「お得だ」と判断する前に、「なぜ安いのか」を確認したいところです。

道路条件。
私道持分。
インフラ。
接道。
境界。
こうした条件が価格に反映されている可能性もあります。

ただし、それらがあるから直ちに購入すべきでないということではありません。

重要なのは、その条件を理解しているか。
将来の利用にどの程度影響するのか。
価格に十分反映されているのか。
将来売却するときに説明できるのか。
を整理することです。

成功する人は、価格差を「掘り出し物」と見る前に、価格差の理由を分析しています。

▪️成功する人は、「道路台帳・公図・登記」をつなげて見る

私は、道路について確認するとき、「一つの資料だけで判断しないこと」が重要だと考えています。

例えば、道路台帳や道路種別に関する行政資料。
位置指定道路の指定図。
公図。
登記事項証明書。
地積測量図。
現地の状況。
こうした情報を重ねて確認します。

行政上はどのような道路なのか。
登記上は誰が所有しているのか。
現地ではどのように利用されているのか。
この3つが一致しているかを見ることで、道路の状態をより正確に把握できます。

成功する人は、営業担当者から「問題ありません」と聞いて終わるのではなく、判断の根拠となる資料を確認して意思決定しています。

道路を確認する5ステップ

▪️戸建購入は、「建物」だけではなく「土地と道路」を買うこと

戸建を見ると、どうしても建物に目が向きます。

リビング。
キッチン。
収納。
日当たり。
設備。

しかし、建物は将来リフォームできます。

一方で、土地の形状。接道条件。道路の権利関係。

こうしたものは簡単には変えられません。

だからこそ戸建購入では、「どんな家か」だけではなく、「どんな土地と道路の上にある家なのか」を確認する必要があります。

建物を見る前に、道路を見る。

その順番が、長期的な資産価値を考えるうえでも重要なのです。

▪️まとめ

戸建購入で成功する人は、「前面道路があるから」「位置指定道路だから大丈夫」という理由だけで意思決定していません。

見ているのは、「この道路を、将来にわたって問題なく利用できる状態なのか」ということです。

道路の法的位置付け。
所有関係。
私道持分。
通行や工事に関する権利関係。
インフラの状況。
接道条件。

こうした点を確認して初めて、戸建や土地の本当の価値が見えてきます。

住まいも、資産も、事業も。

成功する人は、「今使えるか」だけではなく、将来も選択肢を持ち続けられるかを見て意思決定しています。

道路という目立たない条件こそ、長く安心して所有できる不動産かどうかを左右する重要な判断材料なのではないでしょうか。

プロフィール

宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)
楢崎 隆也

住まい・資産・事業に関する「意思決定」をテーマに情報発信。宅地建物取引士とファイナンシャルプランナーの専門性を活かし、住宅購入や事業用不動産の活用、資産形成、相続・事業承継、経営戦略までを一体で捉え、一人ひとりの価値観やライフプラン、経営課題に寄り添った意思決定を支援している。

主な執筆テーマ
住宅購入/賃貸住宅/不動産/事業用不動産/資産形成/ライフプラン/相続/事業承継/経営戦略